相棒・最終回SP「罪と罰」

『相棒 TEN 』第19話・最終回SP罪と罰
(神戸くんの卒業式)

 ここで事件の詳細は多く語らない

 クローンの道徳問題を持ち出すのはちょっと古いけど、なかなか相棒らしい決着だった(まる

 嘉神郁子を検挙すれば赤ん坊を始末する、神戸くんが相棒としてできるのはそれぐらい・・・に対して杉下右京が白旗をあげる
 「キミを人殺しにするわけにはいきませんからね」
 これは今までの集大成というか、悔いの残らない罪を背負う覚悟にやられた格好なんだろうと思うと、右京さんも人間なのだと感じられて切ない。その翌日というか夜、「説得できなかったのはボクの罪なんでしょうね」と改めて自省するほどだから彼も迷っていたのだろう。それでも特命係を去ろうとする神戸くんに「そもそも資格などいりません」というのはまた、出会った当初の神戸くん尾行作戦よろしく右京さんも人が悪い(笑
 
 さておき、嘉神郁子に対して「娘を思う母性で粉飾された科学者の性」と一刀両断する右京さん。告発されても認めなければ良かったのに、と非難する視聴者を代弁するかたちとなったわけですが、これがなければひょっとしたら正義の暴走も失速していたんじゃないかという一抹の可能性もあった。これが亀山時代だったら別の妥協案もあったんじゃないかとか、アメリカの証人保護プログラムみたいに個人情報を特例で取り扱うよう政府に働きかけるとか、そのときの「相棒」によって杉下右京のベクトルも大きく変わっていたんだろうと想像すると楽しい

 神戸くんの異動
 警察庁長官官房付きという「閑職」にして長谷川氏の下に就かざるを得なくなった彼の処遇は、海外へ行った亀ちゃんと違って遺恨を残しそうだ。右京さんが歩いて帰宅する道すがら、神戸くんの愛車が抜きったラストシーン。その方向性が同じなら、いつかまた出会う機会もあるんじゃないか?陣川警部補みたいに、たまにでいいからまた出番が来て欲しい(作品の都合上、そんなことは万に一つもないにしても)せめて劇場版とかスピンオフでの絡みを望みたい

 season11の相棒はどんな人物だろう
 個人的には、いっそ刑事らしくない悪辣なキャラを求む(笑