アニメ視聴率の限界

 昭和のNHK紅白とかワールドカップやボクシングなどスポーツ枠を除くと、近年視聴率の低迷に陥っているテレビ業界ですが『家政婦のミタ』が視聴率40.0%を取ったことにより、面白いものは見ないわけじゃない1つの証左となったわけで・・・今年でいえば『JIN』の最終回では平均視聴率26・1%を取って話題になった。しかし原作におんぶにだっこの風潮から考えるとオリジナルで攻めた『ミタ』の功績は比べものにならないほど大きい

 いったい何が良かったのか?少し分析してみる

 最終回は見逃したけど、とりあえずストーリィ重視というより三田さんの個性が功を奏した格好だ。逆にいうと先週最終回だった『境界線上のホライゾン』とそんなに変わらないはず。学校問題とか家族愛はともかく、最大の焦点は三田さんが笑うか?ホライゾンが泣くか?の違いぐらいである。その口癖にしても「承知しました」「ジャッジ」と類似性があり、流行語にノミネートされてもおかしくなかった。やはりアニメというだけで一般受けするにはハードルが高い、もしくは拒絶反応があるということか?

 歴代視聴率の40%超えを記録したアニメ枠では『鉄腕アトム』の 40.3%まで遡らなければならず、逆に紅白と変わらない時代背景というか、多チャンネル&多メディアの選べる時代に入った現代じゃもう地上波のアニメが40を超えることはないんじゃないかと思わなくもないけど

 松嶋菜々子茅原実里の認知度の差はどれだけ大きいか?
 (後者は主題歌も歌っているのに、前者はポイズンすら歌っていない)

 同じようなヒロインだと、今年はホライゾンの他に『これはゾンビですか』のユークリウッド・ヘルサイズも世界系ド直球かつ感情が閉ざされた悲劇の立役者を演じてくれた。というかエヴァ綾波レイがまさにそのキャラとして一日の長があるだろう。「笑えばいいと思うよ」参照。ヒロインの個性だけでは浮動層の動きは限定的と言わざるをえないような・・・

 つーか金曜ロードショーで『エヴァ破』が放送されても13%前後だった。今年のジブリ枠としては『借りぐらしのアリエッティ』の平均視聴率が16.5%を記録、『天空の城ラピュタ』の平均視聴率が15.9%を記録(13回目の再放送とはいえ1988年初回は12.2%、2回目で22.6%を取ったのが最後)だったらしい。プライムタイムの平場では『サザエさん』と『ちびまる子ちゃん』が多少健闘しているとはいえ、『ドラえもん』や『ワンピース』『名探偵コナン』でさえ10%以下の現状
 
 可能性があるとすれば最終回ならどうだ?

 サザエさんの最終回は想像もつかないけど、ドラえもんの最終回はきっと泣けるはず。個人的にはワンピースの最終回に興味があるが、さすがに尾田栄一郎いわく風呂敷はまだ半分の折り返しである。ただ、ドラマで記憶に新しい『渡る世間は鬼ばかり』の最終回は22.2%、そして42年の歴史に幕を閉じた『水戸黄門』の13.9%をマークするに留めたように、それでもやっぱり一定のファン層を抱えていても40%超えは相当にハードルが高い(笑)

 いかに常連客+一見さんを誘い込むかが勝敗の分かれ目か

 固定ファンだけのアピールでは絶対に無理で、かといって最終回という話題性だけで浮動層の獲得は難しいのかな。ゴールデンの放送時間帯に直前放送の誘導枠をぶち込んで、第1話から見てない人でも大まかな話は復習できたことも大きい。というか同じ芸当をアニメにできるほど予算がないし、そんなことじゃ食わず嫌いで拒絶反応してる場合は火に油になりかねないし。ううーん、悩ましい

 ・・・書いてる途中で眠くなってきた、続きは気が向いたら!

 ちなみに視聴率40%ってことは、1億人としてざっと4000万人ニコニコ動画の一般会員登録者数が約2250万人(2011年7月12日時点)だから、ニコ動だけで全員視聴しても到底かなわない

 ※注意
 視聴率じゃなくてBDやグッズ的な購買力の底力ならアニメ業界に分があるので、べつにそこで勝負しなくていいだろうけどね。でも、好きなもの同士が好き好き言い合ってるだけでは勿体ないというか、長い目でみると衰退の一途を辿るかもしれない。そこに壁があるなら、誰かが何かで天元突破しないとアニメ大国とは呼べないわけで。デジタルネイティブとかDQNネーム世代が育ってきているのに、これを逃すチャンスはないと思うんだ。願わくはアニメメイトのコンビニ化が実現するその日まで