アニメ化する動物番組

 最近(に始まったことじゃないけど)動物番組にSEやアテレコ、人間の生活史を押し付ける動物番組が増えた。なんでだろう?と思ったのでちょっと原因(おそらく、という推定なので可能性と表記)を挙げてみた。他にも何かあったら追加していく予定。ただし、幼児向けの教育番組ではなく、主にゴールデン枠の動物番組とする。



 可能性その1「間が持たない?」
 料理下手な人間ほど素材だけでは不安になって調味料をいっぱい足す法則。動物の足音ばかりじゃなくその一挙手一投足のSE、シチュエーションに合わせたナレとかBGMなどが起用されていく。デコ電かよ!取材カメラが入っているなら良いほうで、YouTubeやニコ動みたいな単発的な素材を使うと手を加えたくなる。あるいは海外からVTRを買う場合も日本の味をペーストしてしまうのでは!

 可能性その2「笑いを出したい?」
 景気悪化や視聴率低迷などで少しでもテコ入れしようとプラスαを求める。シリアスな映画やアニメでガス抜きは大切だけど、番組のエッセンスとして笑いを追求したつもりが、その生態を観察するための対照実験と称して「おバカ」をテーマに笑いあったり「賢さ」を競うだけの成果主義 or 一過性のものが生み出されるばかり。ラッコが腹で貝を割ったり、アライグマが獲物を洗うような「ユーモア」とは明らかに一線を画しているような!

 可能性その3「わかりやすさ優先?」
 視聴者にわかりやすくするには、価値観やモラルの共有、というかヒューマニズムと結びつければ共感しやすい。カワイイ or グロテスクとして、犬猫や小動物のペットと深海魚や珍?動物などの対比。あるいは家畜の出産とか海亀の産卵シーンみたいな感動シーンのまとめ。やたら捕食シーンばかり集めたり、成体になるまえの赤ちゃんだけフィーチャーしても語れないのに。その生物を含めた全体の自然史を時系列で追っていかないと、海中で魚の切り身が泳いでいるような都市伝説がアメリカの電子レンジみたいなギャグと混同できなくなっちゃう!

 可能性その4「タレント扱い?」
 動物園から自宅に連れ帰って一緒に暮らしたりするのはまだマシなほうで、2002年に多摩川に現れたアゴヒゲアザラシのタマちゃんを筆頭に、最近2011年10月に志木市から特別住民票を交付されたアラちゃんは、ゆるキャラする計画だとか。擬人化の行き着く先はテレビ向けのマスコット的存在。こうなったらもう動物が好きなんじゃなくてキャラクタが好きなだけだあ

 可能性その5「動物嫌いを取り込みたい?」
 人間ドラマや擬人化もしかり、動物きらいな視聴者が楽しめるように作っている。動物そのものが好きなら、どうせタイトルで釣れるだろうとか思ってるとしか思えない。なるほど自然とふれあう機会は減っていく一方だし、そのうち動物好きの人口が減っていくと見越しているんじゃなイカ?魚を素手でさわれない釣り人ばんざい!

 可能性その6「声優活躍の開拓地?」
 地デジ化より一足早く、業界ではセル画からデジタル処理へ移行したゼロ年代。ちょうどNHKの長寿番組『生きもの地球紀行』が9年の歴史に幕を閉じたのも2001年あたり。若手新人が増えてサイクルが加速して中堅声優さんは行き場に迷っているのでは。映画には当たり前のようにタレントや歌手に席を取られたり・・・そんなわけでNHKにしても、『ダーウィン』の動物大図鑑はろ〜!あにまるでも水樹奈々とか福山潤とか野川さくら嬢が起用されているのだ。まったく、これを嬉しい悲鳴というんだろう!