台風15号直撃と直後

 台風15号は一昨日(21日)午後2時、静岡県浜松市付近に上陸した後、関東地方を通過したことによりボクの住んでる相模原市も多大な被害をこうむりました。神奈川県内で六万世帯停電とのニュースも流れてきて、ちょっとした生活不安を抱えていたのが当時でした。

 ただ、うちは震災のときですら、まったく停電ひとつ起きなかった地域。

 まだ田舎で実家暮らしの、それこそ学生時代の台風といえば、学校が休みになったりお祭り騒ぎであったり、めったに体験できない自然現象の1つ程度の認識しかなかったわけで。
 
 まさかこのご時世で雨漏りなんて、想像だにしていなかった(笑)

 我が家は木造2階建ての古アパート。築?十年の年季の入った居住区であり、最上部はトタン屋根で覆われており、その一部が数枚、剥がれることは想定しておくべきだったのかもしれない。
 
 雨漏りのイメージは、公衆便所の天井みたいに、ぽたん、ぽたん、と定点落下するようなものを想像していたんだけど、お茶碗や洗面器を置いてしのぐものじゃなく、小さな滝のようにつらつら壁伝いを流れるタイプだった。

 ちょっと外に出てみると、やっぱり屋根のほうに突出した影を直視、そして剥がれた屋根の一部が道路上に投げ出されていた。通行人がいなかったのが不幸中の幸いだろう(笑)。とりあえずボクらにできることは、その残骸の落としモノを回収して、台風が通り過ぎるのを待つしかなかった。(といっても、すぐ眠っちゃったけど)
 

 結果的には、それ以上の被害はありませんでしたが。

 ただ貴重な体験はさせてもらった。直後の朝、一番印象に残っているのは木の匂いだった。ふんだんに水分を含んだ板張りの共用廊下は、仄かにニスのような懐かしさを伴った生渇きの匂い。

 そして、隣人との会話。

 震災のときもそうだったけど、こういったアクシデントでも起こらないと普段同じ屋根の下で暮らしている住民とのコンタクトは発生しなかっただろう。特にボクの場合は昼夜逆転の生活なので、ほとんど顔を合わせることもなかったし。こういった必要悪については、ぜひとも地震、雷、火事、親父の次にエントリィしてもらいたいほどである。